神の樹「Redwood」に出会う旅
最終回 (2006年4月25日発行 かわらばん第253号 掲載)
11月30日(水曜)、8:00ユーレカのホテルを出発。まず、ユーレカにある「シンプソン社」を訪問しました。ここでもRedwoodを製材しているのですが、「PALCO社」が植林された50年位の材を扱っているのに対し、シンプソンの製材所では非常に大きな丸太を製材しており、クリアオールハートという無節のグレードの高いものも多く製材している会社です。

▲横たわるRedwoodから伸びる新芽
「シンプソン社」の事務所を訪ねると、 笑顔の素敵なローレンス女史が迎えてくれました。Redwoodで内装されている事務所内を少し見学し、製材所にバスで移動します。製材所は周りから見えない、少し奥まったところにありました。製材所の敷地内に入ると、高く積み上げられた大きな丸太が目に飛び込みました。その大きさと言ったら、直径、長さ、どちらも想像を超えるものばかり。積まれた丸太から新芽が伸び始めているものもあり、伐採されても新しい命を生むRedwoodの生命力を感じます。そしてここは、地中に埋まっていたものを掘り起こしてきた「サロベージュログ」とうRedwoodもありました。地中に埋まり、年月を重ねたことで色合いが更に深みを増しているそうです。日本には「神代杉」がありますが、樹齢数百年以上の杉が地中や水中に1000年以上埋もれていたもので、高級材として扱われています。この「サロベージュログ」も「神代杉」と同じような、貴重な銘木なのだろうと思いました。地中に眠る事で更に輝きを増す材は、木材という概念をはずれて、神秘さまでも感じさせてくれます。
「シンプソン社」を出発し101を北上すると「Redwood国立公園」に入り、エルクミード(エルクのいる湿原)を通ります。ここでは野生のエルクを見る事ができました。シーズンオフのため国立公園のビジターセンターが閉まっているとのことで、ロープウェイで山の上に登ることにしました。駐車場からロープウェイまで散策道になっていて、Redwoodだけでなくいろいろな樹木を見ながら歩く事ができるようになっています。ロープウェイで上に登ると今まで下から見上げていた森を上から見る事ができました。森の中ではいくら見上げても先端が空に吸い込まれて見えなかったRedwoodですが、そのRedwoodを見下ろすという不思議な感覚でした。

▲Redwood研修参加メンバー
今回のRedwood研修では、実際にRedwoodの森をこの目で見て、その場に立てたこということで、心と身体に深く感じるものがありました。Redwoodの森の中にいると、本当に自分がすぅ〜っと小さくなったような、不思議な感覚になります。音も森の中に吸い込まれてしまったような、絵本の世界に入ってしまった感じです。この感覚はポスターやカタログの写真ではわからないものだと思いました。そして、いろいろな歴史があることも知りました。Redwoodが日本の戦後復興期に支援材として入ってきたことや、Redwoodを使った繊維を開発した日本人が、今、北海道の大学にいらっしゃることなども聞き、もっとRedwoodについて学んでいきたいと思いました。製材所を見学できたことも勉強になりました。Redwoodは国立公園、州立公園として保護されている森もあり、植林したものを計画的に伐採をして、私たちの生活の中で新しい形で生き続けるものもあるということを実際に見る事ができました。Redwoodの力強さ、生命力、神秘性を日本に帰って伝えていきたいと思いながらサンフランシスコを後にし、日本に向けて出発しました。
【神の樹「Redwood」に出会う旅 最終回 (2006年4月25日発行 かわらばん第253号 掲載)】
”神の樹「Redwood」に出会う旅”は、2005年12月発行のかわらばん第249号から5回にわたって連載された、アメリカ研修の報告記です。