チベタンラグのある暮らし
年に2回開催する『チベタンラグ展』も、多くのファンの方に支えられ、毎回ご好評をいただいております。
もう既にお使いいただいている方にも、まだご覧いただいていない方にも、その奥深い魅力をもっとお伝えしていきたいと思います。
詳しくは、HOUSE&GARDEN・クロワッサンの店までお気軽にお問合せください。
「チベタンラグ」を色々コーディネートしてみました » フォトギャラリー「チベタンラグ in The House」
「チベタンラグのある暮らし」
HOUSE & GARDEN クロワッサンの店 川端町店

瑞祥雲
普通、龍に伴って現れる雲(瑞祥雲)は、これからいいことが起こりますよ、というお告げの文様。

三多果
一つの枝から、桃・柘榴(ざくろ)・仏手柑(ぶっしゅかん)の三つの果物がなっている。家が繁栄しますようにとの願いが込められている文様。

火焔宝珠
カエルの足跡のようにも見えるこの文様は、真ん中に宝、その周りを炎が包んでいる、というデザイン。願いが徐々に満ちたりて叶いますよ、という意味。

丸ティクマ
ティクマ(十字模様)の中心には、宇宙からのエネルギーがポタリ、ポタリとしずくのように集まります。そしてその上に座る私たちの体にパワーを充電してくれるといいます。

スノーライオン
「なに?この驚いた顔のワンチャンのような柄は・・・」
チベットでは、実在する動物と信じる人もいるそう。狛犬や沖縄のシーサーと同じ流れを汲むものと考えられています。
百獣の王ライオンと同じ立場にあり、強い力の象徴になります。仏教の中ではお釈迦様の台座を守る神獣として頼りにされています。転じて、強い力で魔から聖なるものを守る意味があります。
チベタンラグのお話し【 第1回 】
絨毯は東洋の文化です
欧米ではペルシャ絨毯や中国緞通、チベンタンラグなど古典的な手織り絨毯はオリエンタルラグ、あるいはオリエンタルカーペットと呼ばれています。 それは、絨毯発祥の地が中近東から東にかけての地域だからです。絨毯のある生活、イコール欧米風の暮らしと考えるのは誤解なのです。 絨毯は西アジアの暮らしの中から生まれ、育まれて来た文化なのです。
絨毯、緞通、カーペットの違い
緞通は中国語の「毯子(タンツ)」に語源があり、日本では古くから手織り絨毯を表す言葉として使われていました。ペルシャ緞通、トルコ緞通など。 絨毯は明治以降に文明開化とともに日本に入ってきた、欧風住宅に付随してきたCARPETの訳語として、使われるようになりました。その語源は中国語の「地毯(チタン)」です。 カーペットは英語のCARPETの意味をそのまま受け取って、敷物一般を示す場合と、機会で作られた敷物を示す場合とがあります。ちなみにCARPETは割りに大きなサイズのもので、RUGは小さめのものをいいます。
機械織りと手織りの違いは?
4000 年前にも完成さていたであろう手織りの絨毯の構造は、とてもシンプルです。経と緯、それにパイルの3要素で成り立っています。緯を織るたびに経にパイルが結ばれて行きます。布と同じでしなやかです。機械織りの場合はこの3要素だけで織ることができません。締め糸が加わります。パイルは結ばれているのではなく、締め糸によって固定されています。堅さがあり、布のようには畳めません。とは言えこれも織りながら作業が進んでいきます。これらとは全く別な方法で出来て行くものもあります。フック緞通とかフックドラグといわれているものがそれです。
チベタンラグの文様について
自然状況の厳しいチベットでは、せめて風雨から身を守る家の中では人々の気持ちをやすめてくれ、また希望を与えてくれるものが、好まれて使われています。特に生活必需品である絨毯には、そんなチベット人の願いがデザインの中に多く見出されます。今日に感謝し、明日への希望と活力を再生産する場として機能する家を彩るチベタンラグの文様には、私たち日本人にもなじみ深いものが多くあります。
健全な暮らしを考えるとき、食べ物や衣類に気を向けがちですが、どうぞ住空間にも思いをかけてください。そして素材選びも大事ですが、文様、柄、デザイン、色使いなども人に与える影響が大きいものです。チベットでは、健康で豊かな暮らしを願う文様が今も息づいています。
小さめの絨毯の使い方
チベットでは一般的に、膝ほどの高さの台の上に絨毯が敷かれ、昼はソファとして夜はベッドとして使用されます。そのため人がひとり横になれる大きさ、すなわち畳1帖がチベタンラグの基本的なサイズとなります。 英語で絨毯を表す言葉はCARPETとRUGのの2種類ありますが、CARPETは4畳半から6畳以上の大きさの物に使われ、それ以下のものはRUGと呼ばれています。チベットの絨毯がTIBETAN CARPETではなく、TIBETAN RUGといわれているのはその大きさからきています。 ”絨毯のある暮らし イコール 欧米風の暮らし方」”と連想される方は多いですが、絨毯はそもそもは東洋で発生し、東洋の文化として育まれてきたものなのです。日本は稲穂を食糧としてきましたので、藁を使って畳をつくり、住まいに利用してきました。チベットおよび中近東に広がる地域の人たちは、羊を食料としし、羊毛を衣類や住まいに使ってきました。また、絨毯の発達には大きくわけて2つの道がありました。ごく普通の人が生活の必需品として使ってきた道と、王侯貴族の人々が富の象徴としてすばらしい絨毯を生み出してきた道です。トルクメンやアフガニスタンの絨毯、ギャッベやチベタンラグなどは前者で、ペルシャ絨毯は後者の代表と言えるでしょう。絨毯が生活の必需品として使われる地域では、その上を簡単にむざむざと土足で上がるようなことはしません。人々に快適で居心地のよい空間を作るために、時期をかけて丁寧に織り上げられた絨毯ですから、靴を脱いでゆっくりとくつろげる場所で使われていました。絨毯の上を平気で土足で上がる使い方が定着したのは、絨毯がヨーロッパで使われるようになってから、それも産業革命以降の機械作りのものが出回るようになってからです。
私たち日本の住環境は昨今大きく変化しました。畳というたいへんに優れた敷物は住環境の変化の中で姿を消していきました。今というのは日本の住まいの歴史の中で、畳以外の敷物が初めて必要になった時代と考えられるのではないでしょうか。そこでの変わり目にきちんと絨毯というものを知り、これまでの使い方を再考し、自分たちなりに使いこなす工夫が求められています。
ダイニングテーブルの下に絨毯は必要でしょうか。応接セットのソファの下にまで敷かれる大きさは必要ですが。せっかく素材を吟味したフローリングの真ん中を絨毯で覆い隠してはいませんか。部屋の模様替えをしようとしたとき、絨毯の位置は変えられますか。
人がくつろぐ空間作りを考えるとき、人ひとりが横になれる大きさというのはとても意味深いものがあります。この大きさのラグを中心に広いお部屋なら2枚ないし3枚を組み合わせて使っていただく、別のお部屋でも使ってみるなど、使い方のバリエーションがたくさんあります。また俗にいう「お玄関マット」と呼ばれるサイズのものの活躍の場もお玄関先だけではありません。ベッドサイドに、チェストの前に、ドレッサーの前にもあると良い雰囲気がかもし出されます。 手織りの絨毯は素材の命がなくなるまで絨毯として使用することができます。 だいたい70~80年は使えます。ですから、購入されるときは想いをちょっと先にまで巡らせて、この絨毯と長い付き合いができるかどうか、色柄はもちろんですがサイズも考慮に入れて考えていただくことも大事かと思います。
床に絵を飾る感覚で、この小さめの絨毯、ラグを扱ってみてください。家具とラグはコーヒーカップとソーサーのような関係とも言われ、お互いに引き立てあうことができます。ラグの扱い方ひとつでお部屋の模様替えが簡単にできます。どうぞ、上手にラグを扱って住まいの空間を居心地よく演出なさってください。