住宅
2021/04/19

基礎断熱と床断熱どっちがいいの

このブログを書いた人
野口雅範(住宅ライフスタイル事業部)

こんにちは住宅ライフスタイル事業部の野口です。

住宅選びの際、性能ってとても重要な要素です。

躯体については壁の断熱材の厚さが〇センチで屋根が〇センチ
みたいな感じで結構気にしますよね。

ところがどうでしょう。
床(基礎)の断熱って何故か疎かになっていませんか。

体と家が唯一接する部分(足裏)にあたる床部分の断熱材って本当は最も重要なのかもしれません。
床の断熱をしっかり施工することによって得られる満足感は非常に大きなものと私は考えています。

ちょっと極端な例になりますが、足裏さえ暖かければ部屋が寒くても満足度が上がります。
昔の断熱性能が高くない家でも床暖房させあれば良かった。なんて時代もありました。
その体験から床暖房の人気はいまだに衰えませんが、これから省エネ住宅では床断熱をしっかりと施工することによる暖房の考え方も変わるかもしれません。

 

さて、カヤノの住宅では、床下の断熱方法として基礎断熱をしています。
今日は基礎断熱について少しお話ししてみたいと思います。


床断熱と基礎断熱

建物本体に外張り断熱と充填断熱があるように
床下の断熱方法にも「床暖熱」と「基礎断熱」と分類されます。


床断熱

床断熱は、床下空間は部屋の外部という考えで1階の床のすぐ下に断熱材を施工するやり方です。
昔から一般的なやり方なので、施工性やコスト的にも優れているため、多くの住宅で用いられている方法です。

しかし、床下に湿気がこもらないように通気を取る必要があります。
鼠が入らないようになってる柵状の通気口を目にしたことがあると思います。

夏場の床下の空気が常に動いて高温多湿にならないようにこのようになっており、
夏は涼しくなって良いのですが、冬場の冷気が床下を通り抜けていることを想像すれば、
冬の床板が何故冷たいのかは想像に難くないと思います。

特に性能を高める為には気密性が求められますが、
床断熱でこれをしっかりと施工するのは意外と難しいので確認が必要です。


基礎断熱

基礎断熱は、床下空間も部屋の内部という考えで、床下で無く、基礎に断熱材を施工するやり方です。

基礎断熱のメリットとしては気密が取りやすいこと。
また、基礎のコンクリートが蓄熱体となり外気の影響を受けにくくなります。
よって床下の空間の空気がより室内に近づくため、冬でも床板が冷たくなりにくいです。

コンクリート外部の白く見えるものが断熱材です。

コンクリート外部の白く見えるものが断熱材です。


副産物として床下にある給排水の凍結の心配がいらないくなります。
床下空間≒は室内空間となるのためです。


もちろん良い事ばかりではありません。
床下の気密性が上がるので湿気がこもりやすくなります。
カヤノでは24時間機械換気を用いています。

また、良く聞かれるのが白蟻に弱いという質問です。
白蟻に狙われる可能性は基礎断熱も床断熱も同じです。
万が一、基礎断熱で白蟻が発生した際に発見しにくいというデメリットはあります。
白蟻対策として薬剤散布の他に土台ガードやアリダンシートといった対策をやっていますので詳細はご確認ください。

結局のところどっちが良いのか

言ってしまえばコストとの兼ね合いになってしまうのですが、
高性能住宅であれば基礎断熱をおすすめしますし、カヤノでは標準採用しています。

床下も家の中という考えは、断熱性能・気密性能を高めるのはもちろんのことですが、
木造住宅の構造体である木材を夏の暑さや冬の寒さから守るという意味でも
基礎断熱は長く大切にお住まいいただく住宅に最適ではないかと考えます。

このブログを書いた人
野口雅範(住宅ライフスタイル事業部)

一級建築士。

主に現場の施工管理をしています。

300棟以上の工事に関わってきました。構造や断熱気密に関することから電気・水道に関することなど何でもお任せください。知識だけではない経験からのアドバイスを心掛けています。

クルマ大好き愛車はホンダS2000。3人の子どもと遊ぶのが一番の癒しです。